京都大学の立て看規制を考える
管理者:「立て看規制を考える集まり」準備会
(文学部学生有志、文学研究科大学院生有志、工学部学生有志、農学部学生有志、理学部学生有志、総合人間学部学生有志、アジアアフリカ研究科院生有志)
メール:kyoto.u.tatekan@gmail.com
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京都大学において学生及び職員・教員などが立て看板を出すことで多様なメッセージを発するという営みが今危機にさらされています。
2017年12月19日に京都大学当局が公表し、今年の5月1日より施行される「京都大学立看板規程」は京大での立て看板による表現を厳しく規制するものであり、立て看板の大きさの制限(2m✕2m)・設置者の制限(京都大学の公認団体に限る)・設置期間の制限(一ヶ月以内)・設置枚数の制限(一枚のみ)・設置場所の制限(キャンパス外縁の石垣などへの設置を事実上禁止する)・設置責任者の氏名と連絡先、設置期間の明記の義務付けを、その主な内容としています。
しかしながら、京都大学当局は立て看板を出している当事者の声を聞いて、話し合う場を持つことなく、この規程の制定に踏み切りました。
現場で活動に関わる個人・団体の声を聞くことなく一方的に立て看板に対しての規制を行うことは、さまざまな声を聞いて話し合いで物事を決めていく民主的なプロセスとはおよそ異なるものですし、立て看板を出している当事者の言論・表現の自由や自主的な活動の制限にもつながりかねません。
また、当事者の意見が何ら反映されずに作られた規程は現場の実情にそぐわないものとなり、運用上の問題が生じる恐れが十分にあります。
今回の規程について京都大学当局は「京都市屋外広告物等に関する条例」に基づいた京都市の行政指導を受けて制定した、と説明していますが、外部の公権力の指導を学内での十分な議論も経ないで無批判に受け入れるのは、大学としての自主性を放棄し、大学自治を軽視することになるのではと危惧されます。
京都大学はこれまで、学術のみならず文化・芸術活動の拠点としての役割を少なからず担ってきました。
また、対話を重んじる学風のもとで、当事者と話しあい、「京大らしい」あり方を模索してきたはずです。こうした歴史を軽んじ、強行的に立看板規制を進める現在の在り方は、言論の府たる京都大学のあるべき姿とは到底思えません。
京大では基本理念のひとつとして「開かれた大学として、日本および地域の社会との連携を強めるとともに、自由と調和に基づく知を社会に伝える。」をかかげています。この理念に沿うならば、学生ら当事者は言うまでもなく、近隣の住民らととも意見を交わす場を設けるべきです。
以上の問題性を踏まえた上で、私たちは「このような問題のある京都大学立看板規程」の見直しが必要だと思います。
そのために、まずは京都大学における立て看板の問題をすべての関係当事者と話し合う場を設けることを大学当局に求めます。
提出先:
京都大学総長 山極壽一 殿
京都大学学生担当理事・副学長 川添信介 殿
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賛同者(順不同・敬称略)
2018年5月2日1時
148名(匿名47名)
杉谷和哉(京都大学大学院生)/伊藤 玄/小灘精一/宇城輝人(関西大学教員)/西脇智也/大野光明/山中竜/やまもとゆみこ(大学教員)/野澤素子/住本 麻子/中村優子/角田豊/佐々木祐(神戸大学教員)/藤田正人(弁護士)/蒔田直子(近隣住民)/塩見弥千穂(京都府民)/金子あさみ/王寺賢太(京都大学教員)/金津まさのり/Sabu Kohso/佐野彰則/吉田恭信/高玲娜/土屋貴志(大阪市立大学教員)/吉武仁貞/境野誠/大谷陽子/島津恒敏/田中輿合子(社会福祉士)/冨嶋克子(裁判を正す会)/大倉弘之(卒業生)/山田耕作/寺岡環/田嶋千尋/田中諭/森下太雄/松本博/戸倉龍哉/勝野峻平/石井太郎/河本真智子/山下弘毅/林葉月(周辺住民)/石塚淳(台風クラブ・厨房使用者でした!)/広田亜加根/井上輝久(客)/前田悠希/小川覚子/西方雪苔/宮辺智樹(京都大学一回生)/服部裕也(えむじか関係)/町綾佳/吉田光里(フリーランスデザイナー)/髙見哲理(京大工学部)/大石高典/駒込 武(京都大学教員)/峰わかば/桂 牧(音楽家 1980〜90年代京大西部講堂にて表現活動)/萩野谷龍悟/竹田 響(人間・環境学研究科〈文化人類学〉)/秋本 勝/北田せり/吉田千恵(卒業生・近隣住民・町内自治会)/岡本らら/西木久実/堀池正次郎/高石昭/堀蓮慈(真宗大谷派僧侶 OB〈1979年卒〉)/前田香奈/具民和/山下 紀志子(会社役員)/栗田明日香/矢部文斗(文学部生)/野村 弾(卒業生)/小林萌子/高向正和(京都市民)/春口千治(イベント業)/山口さだ子/野々村耀/霊岳 和子/春山文枝/片岡大輔/西郷南海子(教育学研究科D3)/土井由紀子/林一夫/大倉裕子/八木智大(卒業生)/脇山敬人/羽生朋子/筒井雪江/髙瀬萌/飯島雄太郎(大学院生)/川那辺康一/ズーホ/丸一俊介/鍋谷美子/戸口太功耶(吉田寮生の友人)/山田果林/石澤雅雄
メッセージ
大学の自由を守るため、応援いたします
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立看は文化であり、政治です。それを規制しようとする大学当局は許せません。
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立て看規制で縮こまった京大なんか見たくない!
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大学の在り方について、何でもトップダウンで決めてしまうこと、現場の当事者から説明を求められても「決まったことだから」と応じないこと、このような管理する/されることを内面化した集団の行き着く先がファシズムであり、戦争です。京都大学が本気で「軍事への加担を拒否する大学」として在りたいのであれば、まずは一部の理事会や役員が掌握している権力を明け渡し、現場の当事者と話をすることから始めましょう。京大学内で権力を持つ立場にいるのであれば、足もとで起こっている不正義を見過ごすのではなく、自分の問題として真摯に向き合いましょう。
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立て看は民衆の大切な表現方法です
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「自由」といいながら、731部隊の犯罪研究を自由にさせて、一方、学生の自由を規制していいのですか
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言論弾圧をけっして許さない。大学、府、市は弾圧をやめよ!
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大学の自治をなめたらあかんで
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立て看は表現の自由の問題だと思います。自由の学風を大事にしてほしいし、また議論を民主的に。学生の処分などみせしめ行為も大学にあるまじき行為
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当局と学生が話し合いを行うという行為が失われつつあることに危機感をもちます。面倒でも1つ1つのプロセスを大切にしていくことを投げ出さないことが必要とされています。
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京大立て看は京都の文化です。安全性の確保があれば、自由で良い。
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規制の一方的な押しつけは、京大らしくないんじゃないかな?それともそれが京大のやり方なの?考え直してほしい。
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タテカンだいすき!です。
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最高っす
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誰でも言いたいことを好きな方法で言えることが重要です。
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コミュニケーションの手段としてはもちろん、アートとして観ても立て看は楽しいと思います。
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トップダウンの指示により「整然」と「整備」させられた空間は、大学の知的活力を枯渇させるだけです。アナーキーにも見える表現活動を寛容に許容する空間であってこそ、文化創造への力を蓄えることができます。大学の執行部にトレランス(寛容)の原理に基づいた対応を求めます。
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タテカンないとあかんやろ!!!
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京都が元気であり続けるには、学問世界が生き生きしていることが不可欠です。大学当局の対話を拒絶する態度に断固抗議します。京大生は自分たちのアイデンティティが根こそぎ持ち去られつつある現状に、自覚的に対峙してください。たかがタテカン、されどタテカン。
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立て看は自由と文化の象徴だと思う!
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「地域に開かれた大学」であるべきです。今の京大の向かう方向は、地域から学生を孤立させるように思います。学生も住民です。
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非合理だったり、ぶきようなものこそ大事。生活においても、表現においても、学問においても。
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立て看規制に反対します。立て看は自由だ。自由な空間を守ろう。
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久しぶりに正門前でタテカンを見て感動しました。他の大学ではもはや絶滅危惧種なので。
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弾圧は、先ず『学生』、『知識人』そして『ペンクラブ、原水禁 等』の順番で襲ってきます。『立て看』は、学生の象徴。これぞ、民主主義の破壊です。見て見ぬ振りは、到底私には、できない。15年前の大学法人化の折り、学問ってそんなもんじゃないのにって終わってしまい、今、外堀から埋められてしまった現実に、もう後悔したくありません。市民からも、もっと『声』を挙げさせなくてはいけないんじゃないですか?知恵を絞り、民衆を後に続けましょう❗
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規制自体は可能であるとしても、手続きに問題はないか。学生その他を野放しにすることが必ずしも良いとはいえなくとも、当局自体の身の振り方に汚点があればそれは正されるべきだろう。立て看設置場の工事費も、その他もろもろと同様、ムダ金だ。
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立て看板は京都大学における表現の自由を象徴するもので、立て看板も含めて「京都大学」という景観が成り立っています。立て看板は他大学と一線を画す京大イズムに欠かすことのできない絶妙な雑味といってもいいでしょう。
私を育ててくれた自由な京都大学と、立て看板を受け入れる懐の深い古都がこれからも続くことを切に希望します。
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立て看は京大だけでなく、京都市民にとって大事な文化です。
その文化をなくさないでください。
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自然災害に対して物理的に安全が守られるなら立て看賛成です。京都大学ですから内容が公序良俗に反してないことは信じてます。
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これからもワクワクするような表現物をたくさん見たい、作りたい。
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管理管理で立て看も禁止される世の中 息がしづらいな
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タテカンまで規制になるのは息苦しく感じます。なぜ?とおどろきさえしました。
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応援しています
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タテカン大好き!
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表現の自由を、景観の下に置くべきでない
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京大はできる限り学生の自由を認める大学であってほしいと思います
「タテカン」って何だろう?
タテカンは京都大学のあらゆるところに生息しています。
あんなところにも、そんなところにも。
タテカンの旬は入試、入学、学園祭の時期です。
また大学内でイザコザが起こると発生します。
何もなくても生えてきます。不思議ですね。
タテカンは娯楽です。
見る人を楽しませてくれます。
タテカンはメッセージカードです。
想いを伝えます。
タテカンは広告です。
知りたいことを教えてくれます。
ものしりです。
タテカンは掲示板です。
人と人とがつながります。
学生も、教授も、誰とでも。
タテカンは目立ちます。
大きいタテカンなら尚更です。
そんな「自由」なタテカンは無くなるかもしれません。
これまでの流れ
〜2017-?-?
2017-?-?
2017-10-20
2017-11-14
2017-12-12
2017-12-19
2018-02-09
2018-02-13
2018-02-23 15:17
時々立て看板に行政指導が入る
京都市から京大周辺の立て看板に対して、行政指導がある
学生生活委員会で、京都市から外構の立て看板について指導を受けたことが報告される。
京大が川添副学長名義で学生らに対し、京都市条例の遵守を求める通知を出す
教育研究評議会および役員会で規程の制定が了承される
部局長会議で「立看板規程」が議論される。協議の結果、一部必要な修正を行うことで了承される
「京都大学立看板規程」に関する話し合いを求める要求書を提出
※回答期限は2月19日
公開シンポジウム
「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」開催
要求書への返答がメールで届く
タテカンは特に百万遍交差点、正門前にたくさん生えます。
京都市ではタテカンが上のような公道に面している場合、屋外広告物と見なされます。
今までも京都市は京大に対してタテカンに行政指導を入れました。
その理由は
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景観条例に反する
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通行人の安全を損なう
の2つがあり、それぞれで異なる行政指導が行われました。
(参照)京都市の景観政策
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屋外広告物に対する基準を市内全域で定め、「美しい品格のある都市景観の形成」を図っている。
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屋外広告物:屋外において、常時又は一定の期間継続して公衆に掲げられるもので、看板や広告塔、ポスター等をいう。営利を目的としないものでも屋外広告物となる。
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屋外広告物には、様々な表示の制限がある。一例としては、
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設置場所:公演や河川、史跡名勝のほか、電柱やアーケードの支柱など
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表示できる面積: 地域によって表示できる面積の基準がある。
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高さ:地域ごとに高さの基準が定められている。
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デザイン:色彩の基準が数値で定められている。
(参考資料)
·「屋外広告物の制度」、京都市都市計画局、2011年3月
·「京都市屋外広告物等に関する条例」2007年制定、最終改正2012年3月30日
京都市からの行政指導を受けて「京都大学立看板規程」が作られましたが、条例とは無関係な学内の立て看板についても規制対象に含まれています。また制限がとても強められました。一例として
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設置者:総長が認めた団体(公認団体)
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設置期間:1か月(例外あり)
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大きさ:縦横各200cm
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場所:大学当局が指定した場所のみ
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設置責任者の氏名、連絡先及び設置期間の明記を義務付け
があります。
指定箇所はまだ未定で、現在、部局ごとに議論を進めている模様。
制定までの過程はよくわかっておらず、規程について京大は京都大学新聞の取材に対して「『立看板規程』は関係する理事、副学長、関係部・課の協議により協議を行った」と返答しました。
参照:京都大学新聞2599号、2月16日
要求書のPDFです
シンポジウムの情報はこちらからどうぞ
以下引用
平成30年2月8日に提出された要求書への回答ですが、吉田寮自治会宛に連絡するようにとのことでしたので、吉田寮宛メールアドレスに送信しています。
平成30年2月8日に提出された要求書への回答は次のとおりです。
なお、文書による回答をとのことでしたが、川添理事は文書による回答は行わないとのことです。
◎「京都大学立看板規程」は既に大学として決定されたものであり、話し合いの場は設定しない。
◎また、説明会も開催しない。周知はキャンパスライフニュースで全学生に向けて大学の考えを発信する。
◎なお、本規程に関する質問があるのであれば、学生意見箱で受け付ける。
以上引用
返答メールの一部です